中小企業のホームページのセキュリティ対策は何から始めるか
担当者のいない会社で、ホームページについてまず何を確かめ、誰に何を頼めばよいかの全体像が分かります。
まず「誰が何を管理しているか」を書き出す
ホームページは、いくつかの契約の組み合わせで動いています。対策の前に、次の 4 つを誰が管理しているかを書き出します。分からない欄があっても構いません。
| 管理するもの | 例 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| ドメイン | example.co.jp の契約 | 更新料の請求書 |
| サーバー | エックスサーバーなど | 月額・年額の請求書 |
| サイトの中身と更新 | 制作会社、社内の誰か | 最後に修正を頼んだ相手 |
| メール | Google Workspace など | メールの契約先 |
この表があると、指摘を受けたときに「誰に頼むか」で止まらずに済みます。制作会社に毎月の保守料を払っている場合は、その中に更新作業が含まれているかも聞いておきます。
外から見える 5 つの確認
担当者のいない会社がまず確かめるとよいのは、外から見える次の 5 つです。どれもサーバーの中に入らずに確かめられます。
1. 暗号化通信と証明書
アドレスが https:// で始まり、証明書(通信を暗号化するための電子的な身分証)の期限が切れていないか。期限が切れると、ブラウザに警告が出て閲覧者がページを開けなくなります。詳しくは 証明書 にあります。
2. ソフトの版とサポート期限
サイトを動かす PHP(プログラムの言語)や WordPress の版が、公式のサポート期限内か。PHP の公式ページ では、8.1 以前はセキュリティ修正が終了しています。調べ方は WordPress と PHP のバージョンを確認する方法、頼み方は PHP バージョンアップを制作会社に依頼する文例 にあります。
3. 会社名をかたるメールの対策
会社のドメインに SPF と DMARC という設定があるか。無いと、自社名をかたるメールが取引先に届きやすくなります。自社ドメインのなりすましメール対策 で説明しています。
4. ブラウザへの安全指示
常に暗号化通信で開く指示(HSTS)や、他サイトへの埋め込みを防ぐ指示(X-Frame-Options)など、サイトがブラウザに出している設定。多くはサーバーの設定に数行加えるだけです。
5. 公開してはいけないファイル
設定ファイル(.env)など、外から見えてはいけないファイルが見えていないか。見えている場合は、中に書かれたパスワードなどを変える必要が出てきます。
自社でできること、頼むこと
自社で確かめられるのは、上の 5 つが今どうなっているかです。直す作業は、多くの場合サーバーやサイトを管理している人に頼みます。
- 自社で:現状の確認、管理表の作成、制作会社への連絡
- 頼む:PHP や WordPress の更新、サーバーの設定、DNS の設定
頼む先が分からない、制作会社と連絡が取れない、という場合は、まず最初の管理表で空いている欄を埋めることから始めます。サーバーやドメインの請求書の契約者名を見れば、誰が契約しているかの手がかりになります。
頼むときは、何を見てどう指摘されたかを具体的に伝えると、見積もりが早く正確になります。診断結果の画面や PDF をそのまま添付するのが手間のかからない方法です。
定期的に見直す
一度確かめて終わりにせず、時期を決めて見直します。
- 証明書の期限:期限の 1 か月前
- PHP の版:公式のサポート期限が近づいたとき(8.2 は 2026 年 12 月 31 日まで)
- WordPress とプラグインの更新:保守契約の報告を受けたとき
年に 1〜2 回、決まった月に確認する、と社内の予定に入れておくと続けやすくなります。
無料診断で確かめられること
無料診断 では、ドメインを入れるだけで、上の 5 つの確認にあたる項目を外から確かめ、項目ごとに「要対応」「確認推奨」などの判定を付けます。サーバーの ID やパスワードは要りません。判定の意味は セキュリティ診断の結果の見方 にあります。人の目で原因と直し方まで確かめたい場合は 詳細診断 があります。
よくある質問
ホームページに個人情報を置いていなければ、対策は要りませんか。
個人情報が無くても、改ざんされて偽のページに誘導されたり、会社名をかたるメールに使われたりすることがあります。取引先や来訪者への影響を減らすために、基本の確認はしておく価値があります。
制作会社に任せているので、自社でやることはありますか。
誰が何を管理しているかを把握しておくことです。ドメイン、サーバー、更新作業の担当と、保守契約に何が含まれているかが分かっていれば、何かあったときに頼む先に迷いません。
対策にはどれくらい費用がかかりますか。
確認だけなら費用はかからないことが多く、設定の追加は保守契約の範囲で済むこともあります。PHP の版上げのように改修を伴うものは数万円〜十数万円の幅があり、業者と構成で変わります。
自社のサイトで確かめる
ドメインを入れるだけで、この記事に出てきた項目が外からどう見えているかを無料で点検できます。設定は変えません。結果はその場で出ます。