さくらのレンタルサーバで PHP バージョンを変更・確認する手順
さくらのレンタルサーバのコントロールパネルで、今の PHP の版を確かめ、サポート期限内の版に切り替えられるようになります。切り替えの画面が見つからないときの原因と、元に戻す方法も載せています。
この記事は 2026 年 10 月時点のさくらのレンタルサーバ(レンタルサーバー)の公式マニュアルをもとに書いています。管理画面の表記は変わることがあります。
切り替える前に知っておくこと
PHP(ホームページを動かすプログラムの言語)は、版ごとに公式のサポート期限があります。公式のサポート状況 では、2026 年 10 月時点で 8.1 以前はセキュリティ修正が終了、8.2 は 2026 年 12 月 31 日まで、8.3 は 2027 年 12 月 31 日まで、8.4 は 2028 年 12 月 31 日までです。
さくらのレンタルサーバでは、新しい版の提供が始まっても、すでに設定してある版はそのまま維持されます(PHP の提供ポリシー)。つまり、契約した当時の古い版のまま何年も動いていることがあります。契約時期によって最初に設定されている版も違うので、まず今の版を確かめます。
版を上げると、古いテーマやプラグインが新しい版に対応しておらず、表示が崩れたり画面が真っ白になったりすることがあります。サイトを制作会社に作ってもらった場合は、先に制作会社へ確認するのが穏当です。頼み方は PHP バージョンアップを制作会社に依頼する文例 にあります。
今の版を確かめる
- サーバーコントロールパネルにログインします。このとき「メールアドレス / パスワード」ではなく、「初期ドメイン または追加されたドメイン / パスワード」でログインします。メールアドレスでログインすると、メールの設定しか表示されません。
- 「スクリプト設定」の中の「言語バージョン設定」を開きます。
- 「PHPのバージョン」の欄に、今設定されている版が表示されます。「モジュール」にチェックが入っているかも見ておきます。
確かめるだけのときは「保存する」を押さずに画面を閉じます。表示された版とモジュールの有無を、作業前にメモしておきます。元に戻すときに使います。WordPress の管理画面から確かめる方法は WordPress と PHP のバージョンを確認する方法 にあります。
モジュールと CGI の違い
さくらのレンタルサーバの PHP には、動かし方(動作モード)が 2 種類あります。「モジュール」にチェックを入れるとモジュールモード、入れなければ CGI モードです。
- モジュールモードは処理が速く、PHP のキャッシュ機能(APCu)や JIT(処理を速くする仕組み)もモジュール版が前提です。
- CGI モードでは、拡張子が .htm や .html のファイルに書いた PHP は動きません。
- 旧仕様の一部のサーバーは CGI モードのみです(基本仕様)。
版を上げる作業と動作モードを変える作業を同時に行うと、不具合が出たときにどちらが原因か分かりにくくなります。まず今と同じモードのまま版だけを上げ、落ち着いてからモードを見直す順番にすると、切り分けが楽です。
切り替える前の準備
バックアップを確かめる
スタンダードプラン以上では「バックアップ&ステージング」という機能で、WordPress などのサイトをスナップショット(その時点の写し)として残せます(管理画面の表記は変わることがあります)。さくらインターネットは、手元にも定期的にバックアップを取るよう案内しています。WordPress を使っている場合は、バックアップ用のプラグインで手元にも保存しておくと、戻す手段が 2 つになります。
テーマとプラグインの対応を確かめる
WordPress の管理画面の「プラグイン」で、各プラグインの更新が残っていないかを見ます。CMS(WordPress などのサイト管理の仕組み)本体も最新にしておくと、新しい版に対応しやすくなります。「a-blog cms」など ionCube Loader(暗号化されたプログラムを動かす仕組み)を使うソフトは、版を変えると動かなくなる場合があると公式マニュアルに書かれています。
PHP の版を変更する手順
- 「スクリプト設定」→「言語バージョン設定」を開きます。
- 「PHPのバージョン」の欄で、変更後の版を選びます。モジュールモードで使う場合は「モジュール」にチェックを入れます。
- 「保存する」を押します。
- 「PHPのバージョン」の欄が選んだ版に変わっていれば完了です。
選ぶ版は、8.2 が 2026 年 12 月 31 日でセキュリティ修正を終えるので、一覧に出ている中で 8.3 以上が候補です。テーマやプラグインの対応が分からなければ 8.3 を選び、それより新しい版は制作会社に確認してからにします。なお、8.2 は OS が FreeBSD 11.1 以上のサーバーが対象など、サーバーによって選べる版が違うことがあります。
切り替えできないときに見るところ
- 「スクリプト設定」が出てこない:メールアドレスでログインしています。ドメイン名でログインし直します。
- 選びたい版が一覧にない:サーバーの仕様によって選べる版が限られることがあります。サポートに問い合わせるか、プラン変更の案内を確かめます。
- 保存したのにサイトの版が変わらない:制作会社が .htaccess(サーバーの動きを指示する設定ファイル)や php.cgi というファイルで、フォルダごとに PHP を指定していることがあります。この場合は管理画面の設定よりそちらが効くので、制作会社に確認してください。
- 複数のドメインのサイトを置いている:公式の手順にはドメインを選ぶ操作がありません。同じアカウントで動いているサイトは、すべて動作を確かめます。
変更後に確かめること
切り替えたら、次の画面を開いて普段どおり動くかを見ます。
- トップページと、よく見られるページ
- お問い合わせフォーム(試しに自社宛てに送信する)
- WordPress の管理画面へのログインと、記事の下書き保存
- 「ツール」→「サイトヘルス」の「情報」で、PHP の版が新しくなっているか
表示が崩れた、画面が真っ白になった、という場合は、同じ「言語バージョン設定」の画面でメモしておいた元の版(とモジュールの有無)を選び直して「保存する」を押します。古い版は提供が終わるまでは選び直せます。そのうえで、どの画面で何が起きたかを制作会社に伝えると、原因を探しやすくなります。手順の詳細は公式の PHP のバージョンを変更したい にあります。
無料診断で確かめられること
無料診断 では「サイトを動かす PHP の版」が外から見えているか、見えている版がサポート期限内かを照合します。切り替えの前後に診断すれば、外から見える版が変わったかを確かめられます。版を外に出さない設定のサーバーでは「未確認」と表示されます。結果の見方は セキュリティ診断の結果の見方 にあります。
よくある質問
コントロールパネルに「スクリプト設定」が見当たりません。
メールアドレスとパスワードでログインすると、メールの設定しか表示されません。いったんログアウトし、初期ドメインまたは追加したドメインと、そのパスワードでログインし直してください。
「モジュール」にチェックを入れたほうがよいですか。
さくらインターネットはモジュールモードの方が処理が速いと案内しています。ただし、旧仕様の一部のサーバーは CGI モードのみです。今の設定がどちらかをメモし、版を上げるときは同じモードのまま切り替えると、原因の切り分けがしやすくなります。
古い版のまま放っておくと、さくら側で自動的に上がりますか。
提供ポリシーでは、設定済みの版はそのまま維持されるのが原則です。ただし重大な脆弱性が見つかった場合などは提供を終了し、近い上位の版に変更されることがあります。いつ変わるか分からない状態で待つより、自分で計画して上げるほうが安全です。
自社のサイトで確かめる
ドメインを入れるだけで、この記事に出てきた項目が外からどう見えているかを無料で点検できます。設定は変えません。結果はその場で出ます。